つなぽんのブログ

生物学者♀のたまごつなぽんのポスドク日記。

科学の未来に寄付、してみませんか?

お金があれば、私たちはもっと効率よく、早く研究を進められるはず。このエントリーは、どうやったら基礎研究に寄付ができるのか?その方法をまとめたエントリーです。

 

基礎研究には金が要る!

東工大大隅良典先生がノーベル医学生理学賞を受賞されたという、

大変喜ばしいニュースが日本を駆け巡りました!
昨年の大村先生に続いて、二年連続の医学・生理学賞の受賞です。
優秀な日本人の素晴らしい研究成果が世界的に認められて、誇らしいと感じている方も多いのでは無いでしょうか?
勿論私も同じ気持ちです。そして、自分自身も新しい発見のための土台の一つを作れたら良いな、と、日々研究に邁進している日々です。

ところがところが。
今、日本の基礎研究は財政難に陥っていると言っても過言ではありません。
2004年、国立大学が法人化されたのを堺に、国から大学に支払われる運営費交付金は削減される一方。。。研究成果を示す指標である掲載論文数や被引用件数は、数年前から頭打ちで、台頭してきた中国に追い抜かれてしまいました。これについては、もっとしっかり書いているブログや報告書がありますのでそちらをご覧いただければと思います。
国立大学法人化後の現状と課題について (中間まとめ)

運営費交付金削減による国立大学への影響・評価に関する研究(ダイジェスト版)(その1) - ある医療系大学長のつぼやき

 

基礎研究には金が必要です。

残念ながら、研究は金になりません。創薬に役立つ、製品になり得る研究ならば、投資する人も居るでしょうが、

残念ながら基礎研究は、役に立つかどうかわからない、リスクの高い研究です。だから、企業は金を出さない。皆様の税金を使って研究を行うしかありません。

しかし、基礎研究は、オートファジーの発見のように、ときに思いもよらない出会いを提供してくれます。だれも通ったことのない道に、レールを敷いていく、それが基礎研究です。

 

もし、もしも、みなさんが、「日本の科学の発展のために、貢献したい」と少しでも思ってくださるのなら、どうか、基礎研究に寄付をしていただけないでしょうか?

 

大学に寄付をする

皆様、大学に寄付ができることをご存知だったでしょうか?

「大学名 寄付」で検索すると、大抵の大学ならば寄付のウェブサイトが出てくるはずです。個人でも、法人でも寄付ができる場合がほとんどです。

なんとですね、大学への寄付金は、税金の控除対象になっています!
母校に寄付をして、更に節税にもなる!どうですか?興味が湧いてきたでしょうか??

寄付金は、大学の運営や研究費などに使用されます。
興味が湧いたら、是非、調べてみてくださいね!!

 

東京大学基金京都大学基金 などなど、検索すればいくらでも出てくるはずです!
ips細胞の基金もあります。これは見たことある人が多いのでは無いでしょうか?最近では、結婚式の引き出物カタログなんかでもみかけますね!

ご支援のお願い | iPS細胞研究基金 | CiRAについて | 京都大学iPS細胞研究所 CiRA(サイラ)

 

クラウドファンディングを通じて寄付をする

大学への寄付のデメリットとして、一口の金額が大きい、通常は使用用途を指定できない、などが挙げられます。
でも、「1万円からって、気軽に寄付はできないなー」「どうしても、自分は自分の興味がある研究にしか寄付したくないんじゃ!」ってかた、いらっしゃいますよね?

そんな方におすすめなのが、クラウドファンディングを通した寄付です。

こちらは1000円など、比較的少額からの寄付が可能で、しかも、自分の好きな研究に寄付できるのが魅力です。

academist(アカデミスト)が、おそらく最も有名な研究支援のクラウドファンディングだと思います。
たまに、クラウドファンディング - READYFOR(レディーフォー)など、ほかのクラウドファンディングサイトにも、基礎研究の支援プロジェクトが出ています。

是非是非、定期的にクラウドファンディングサイトをチェックして、「あ!この研究面白そう!」と思った研究に、少額でも良いので寄付していただけたらな〜、と思います。寄付の特典として、研究室に見学に行けたり、記念品がもらえたりすることもありますよ!
academistのウェブサイトによると、寄付先によっては税金控除の対象になるそうです。寄付を行なった際には、ぜひ領収書を保管して、確定申告に使ってくださいね!


データを寄付して研究を応援!

基礎研究に興味はある、でも、研究を経済的に支援するほどではない、という方!
もちろんいらっしゃると思います。
でも、研究を応援する方法って、なにもお金だけじゃないんです!
データを寄付する事によって研究を応援することもできるんですよ。

マルハナバチ国勢調査

GPS付きのスマホマルハナバチの写真を撮って、メールで画像を送るという調査です。

(2020年12月 追記 山形大学ウェブサイトによると、研究の成果がScientific Report誌に発表されたそうです。おめでとうございます!)

アサギマダラの移動調査ネット

ウェブサイトの更新が滞っているようですが、掲示板は絶賛稼働中のようです。マーキングされたアサギマダラの情報をやり取りするサイトです。

他にも、心理学実験の被験者募集に応募してみる、などなど、基礎研究を支える方法はたくさんあります!
(「被験者 募集」で検索するとたくさん出てきます。大抵、交通費くらいは支払われます。)

 

 

皆様の温かいご支援をお待ちしています!

基礎研究は、一般社会との契約の上に成り立っています。

税金を使う、だから研究者はより良い未来の為に研究をする。
全ての研究が、輝かしい宝物を持ってくるとは限りません。
でも、幅広い分野をフォローすることで、宝石みたいな研究に行き当たることがあるのです。

DNAだって、最初は全然重要な物質だとは知られていなかったんです。人の傷の膿から抽出された、ただの一化学物質に過ぎなかったんです。
基礎研究は、何が起こるかわからない、だから、面白い。

 

かましいお願いであることは承知しています。でも!

皆様のご理解と支援を頂けると、とても嬉しいです。

(お願い!お願い!)