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つなぽんのブログ

生物学者♀のたまごつなぽんのポスドク日記。

ボスとの不和を乗りきれるか? 〜学内ハラスメントの話〜

学び 研究室 教育

今日のテーマはちょっと暗いお話です。

 

「研究室ではボスが絶対!ボス(教授)の言うことを聞かないと学位をもらえない」

という話をよく耳にします。私が学部生時代は、半信半疑でこの話を聞いていました。

 

が。実際に大学という場に身を置いて10余年…。ボスとの関係がこじれると学位がもらえないというのは、少なからずあるものなんだな、と実感しています(^ω^;

いや、ほとんどの教授は学生に学位を取らせようと頑張っていると思うのですが、そうでない研究室というのは存在するのだなと。学位を諦める学生を前に、無力感を募らせてきました。

 

自分の心の整理のためと、少しでも大学研究室のあり方を考える切っ掛けになればと思い、この記事を投稿します。

 

なお、本日取り扱うハラスメントについては男女の区別はないので、男性の皆さんにも関係があるものとして読んでいただければと思います。

 

研究室内で生じるハラスメント

ハラスメントという単語を聞いてみんながぱっと思いつくのは、セクシャル・ハラスメント、いわゆるセクハラでは無いかと思います。

が、少なくとも、教授もスタッフも、セクハラに対してはかなり気を使っている印象を受けます。私の周りのコミュニティでは、セクハラが原因で学校に来れなくなった例は聞いたことがありません。(多少の際どい発言はありますが、セクハラに対する理解の広まりも手伝ってか、当事者や周りが「今の発言はダメでしょ」と言える空気があるように思います。)

 

研究室内で問題になるのは、セクハラよりも寧ろパワー・ハラスメントやアカデミック・ハラスメントに該当するものだと思います。こちらに関しては何度かその現場を目撃してしまいました。

 

一体どのようなパワー・ハラスメントが起こっているかというと、私が知っている範囲では以下の様なものを見聞きしました。生物系以外の研究室の話も含まれています。

 

  1. 学生に「学位を出さない/卒業させない」と脅す(メールを見せてもらいました。まじめに研究していましたが、彼氏との結婚を報告したことを堺にハラスメント被害に遭いました)。
  2. 学生の意思に反し、学振などの助成金の推薦を書かない (これは伝聞ですが、その研究室の学生は本当に誰も学振を出していなかったので怪しいと思っています)
  3. 学生の指導を行わない(論文投稿後リバイスが返ってきてから指導放棄された友人がいます)

 

怖い、ヤバイ\(^o^)/。

1. の被害にあった友人は学位審査以外の学位要件を満たしておりましたので、学位審査の審査員から指導教員を除外するという方法でギリギリ学位を取得して、今アカポスで働いています。3.の友人は論文が不採用となったために学位取得を諦めて、民間企業で働いています。

 

なお、人前で「君は本当に馬鹿だな」とか、「あったま悪いね〜、そんなんで学位取れると思ってんの?」とか高圧的に本人の人格を否定することを居る教授も居るのかもしれませんが、私はこの被害にあった人は見たことがないです。

 

研究を志す人はみんな頭が良いので、セクハラにせよパワハラにせよ、わかりやすく「ハラスメント」だと思われるような言動は行わないように思います。

むしろ、上の例で示したように、加害指導者と被害学生の二人の間で完結してしまうような、より周りに目立たない、表に出てこない形で深刻なハラスメントが発生しているケースが有るのでは無いかと考えています。

 

  

ハラスメントセンターが機能していない大学院の実態

上記のような事態になったら、(ブラックでない)一般企業であれば、ハラスメントセンターがうまく仲介して、部署替え、配置換えなどで対応するのでは無いかと思います(私は民間に行ったことが無いので想像です、すみません)。しかも、配置換え後も多少の給与の変動はあれど、給与は変わりなく支払われるはずです。(ですよね?)

 

大学でも同様に、ハラスメント被害に遭ったことが証明できれば、ハラスメントセンターが担当教員を変更することで対応する場合が多いです。

万が一の際の指導教員変更を円滑に進めるために、「副指導教員制度」を導入している学科もあります。

 

しかし、修士はともかく博士課程まで進んでからハラスメントに巻き込まれた場合、これを解決するのはかなり難しいです。

なぜなら、一つの大学が似たような研究テーマを取り扱う研究室を複数擁していることは殆ど無いので、指導教員の変更はすなわち研究テーマの変更を意味するからです。他大に似たような研究テーマを扱う研究室があったとしても、ハラスメントセンターが大学の垣根を超えて対応してくれる例は聞いたことがありません。また、同分野だと教授同士が仲が良かったり、教授間の力関係いろいろがあったりするのも面倒なところです。

 

学位を出さない、指導放棄、などの問題は、学位取得直前に問題が深刻化します。学位取得前となると27歳。そこから新たにテーマを変えて論文投稿となると。。。多分学位取得時には30を超えるでしょう。その間ずっと無給で学費を払い続けるのは現実的ではありません。

 

大学院でのハラスメントは

  1. 加害者となる教員が高度な専門性を持っているため換えが効かない
  2. 被害者となる学生は学位取得という切り札を握られているため非常に立場が弱い
  3. 研究室の変更で対応した場合にも、加害側である教員はほとんど被害を被らないのに対し、学生は経済的、時間的に甚大な被害を被る

 

という特長から、被害者の泣き寝入りになりやすい構造があるのです。辛い。

 

 

不幸な学生にならないために学生ができること

「大学の構造が悪い」「改革が必要だ」ということは簡単ですが、実際に被害にあった場合にはそうも言っていられません。学生ができる対策を未熟な私なりに考えてみたいと思います。

 

①研究室選びは慎重に

再三行っていることではありますが、研究室選びは慎重に行ってください。ちゃんと学生に学位を取らせる指導力がある研究室なのか調べましょう。研究室見学には必ず行ってください。

 

②自分の実力を上げ、指導者への依存度を下げる

これは難しいですが必要なことです。そしていつかは必ず克服しなければなりません。研究室配属された最初から、受け身で指導を受けるのではなく、「5年後には自分が独力で論文を出すんだ」という意識を持って研究に取り組むことが、自衛にもつながります。(私はそんなに意識高くはなかったですが。指導者に恵まれました。)

 

③研究の環を広げ、似た分野の他研究室や他大研究室にも顔を利かせておく

学会などに参加して、他研究室の知り合いを作りましょう。教授などとも話す機会があればガンガン話して交流を深めておくと良いと思います。お互いの研究内容を知っていれば、研究室を変更した際も対応がし易いです。万が一の事態には、大学の垣根を超えて「出向」という形で指導を受けられるかもしれません。

 

 

最後に

本エントリーを書くにあたって、ちょっと感情的になってしまって抑えながら書いたつもりなのですが、変なところがありましたらごめんなさい。

「研究室内で生じるハラスメント」の項目で挙げた例は、内容的にあまり具体的に書けることでもないので、信頼性が担保できていないと自分でも感じています。自分の体験ならば赤裸々に書くことができたのですが。

 

自分は本当に恵まれてラッキーなところで研究をさせてもらっているなー、と感じています。大学院での研究環境が改善され、学生が集中して研究に取り組める環境を作る一助になればと願っております。

(もし「大学院でのハラスメントの問題点」や「学生が取りうる自衛策」で他にまだ考えつくものがあったら、追記させていただくかもしれません)。

 

 

おわり