つなぽんのブログ

生物学者♀のたまごつなぽんのポスドク日記。

ニューヨークの近況について

最後の投稿をしてから随分と時間が経ってしまった。

その間にわたしはと言うと、結婚したり、ニューヨークで仕事を始めたり、子供を産んだり、なんだか色々あった。

今日、わたしが久しぶりに筆をとろうと思ったのは(実際にはキーボードで打ち込んでいるのだが)、COVID19感染のエピセンターとなってしまったNYCに身をおいていた身として、実際に私が体験した空気感をここに記録として残しておこうと思ったからだ。

 

私はニューヨークのマンハッタンに3年近く住んでいる。

この街は二週間前とは全くかわってしまった。

レストランは開いていない。

スーパーには入場制限がかかり、銀行もATMのみの営業だ。

売店には閉店した店もいくつかある。

町中がいつ終わるかわからないロックダウンに、不安を感じている。

 

  

2月下旬

ニューヨークの話題といえば、もっぱら「プラスチックバックの禁止」の話だった。少なくともわたしの周りでは。3/1から、スーパーでのプラスチックバックの使用が禁止になると言うので、みんなで「環境に優しくていい」だとか、「でも結局ゴミを入れる袋は必要なんだから環境に優しいアピールしたいだけだろ」とかなんとか言っていた。COVID19の話もたまに出たけれど、「日本で件数増えてきたね。」「日本人入国禁止になるかもね」程度のものだった。
COVID19の検査に回る人は数人いたが、陽性は一件も出ていなかったのでわたしは大好きなNYの大きな中華街、Flushingにしばしば通っていて、同僚と「大通りに行くのはやめとけよ〜。怖くないのか?」「私は若いから大丈夫っしょ。陽性患者は出てないんだよ。今そこを避けるのはnot scientific!」なんて会話をしていたのを覚えている。3月上旬に感染経路不明者が次々報告された現状を踏まえると、NYCは完全にCOVID患者の初期感染者の把握に失敗していたわけで、同僚のアドバイスは正しかったかもしれない。

ニューヨークには二箇所、有名な中華街があって(FlushingとChina town)、誰もが「出るとしたら中華街からだろう」と思っていたと思う。

2/28にワシントン州でとうとう最初のCOVIDの死亡者が出て、「あ〜そのうちNYにも来るかもね」と呑気に話していた。

 

3/1

私たちにとっては意外なことに、NYのCOVIDの最初の患者さんは中国ではなくイランからの帰国者だった。とうとうきたか、とは思ったが、海外渡航歴があったせいかみんな落ち着いていたと思う。大学側も「手を洗いましょう」と連絡をしてきただけで、そこまで緊迫感はなかった。

 Cuomo知事は、準備は万全だ、と州民に安心するように呼びかけていた。

 

 

 

3/3

風向きが変わってきたのは3/3、Westchester(NYCから電車で数十分北側にある郊外エリア)に住む50代の男性の感染が発覚してからだ。この男性は感染経路が不明だった。さらに彼は電車で通勤していた。ここでようやく私はん?ちょっとまずいかもしれん。と思い始めた。
当然ラボでは「Westchesterって結構ここから近いじゃん。通ってる人いっぱいいるでしょ」「バスとかから感染が拡大しても不思議じゃないよね」などとこの話で持ちきりに。
翌日には、彼のご家族全員が感染していることがPCR検査で発覚し、学内全体がそわそわし始めた。何人かの同僚に「君は日本人だったよね?日本ではすでに感染者が出てるけど、これから何が起こると思う?」と聞かれた。私は「わからないけど、少なくとも日本ではまだそんなに大変なことは起きてないみたいだよ。クルーズ船以外はね」なんて言っていたのだ。

 

この時点でもまだ、クオモ知事のツイートから緊迫感は感じられない。

 

 

~3/7

3月3日に初めての経路感染不明者が発表された後、数日間でその家族とご近所さんにも感染が拡大していたことが発覚した(無症状の人含む)

そして、3月5日、NYC市内で2名、Nassau Countyで1名の入院患者がCOVID陽性であることが発覚する。彼らはいずれも感染経路が不明だった。おそらくこの時にはすでに、この街にCOVIDが広まっていたのだろう。それに、入院になる程症状が悪化するまでに感染が拡大していたことも予想される。

3/6(金)には、さらに11件のCOVID陽性患者が報告される。この時点で、クオモ知事は「NYは検査のキャパシティを増やしている。陽性患者の数が増えることは予想できたことである」として、まだ州民に冷静さを保つよう呼びかけていた。

この日初めて、大学から「大学が閉鎖された場合のcoverage planについて話し合うように」と連絡が来た。その報告を受けて、私は大学図書館に学外から有料科学雑誌にアクセスするための登録を行った。後になって思うと非常に良い判断だったと言わざるを得ない。

3/7にはNY州内のCOVID陽性件数は累積で76件、NY市内での件数は11件に登り、ここでAndrew  Cuomo州知事は非常事態宣言を出すことになる。

この週、私の周りの人たちは、「念のためロックダウンに備える。しかし感染が広がらないことを祈る。」という状態だったと記憶している。 

 

3/8~3/14

3/9(月)、大学から「20人を超えるミーティングをキャンセルするように」とのメールを受け取りこの週が始まった。私が出る予定だった週二回のセミナーはキャンセルに。定期的に行われる環境安全講習もキャンセルになった。
NY市民もざわざわし始め、NYのBill de Blasio市長のtweetへのリプライは「close the school!」で埋まっていた。私は呑気に「え〜、娘のデイケアしまったら仕事できないな困ったな」なんて思っていた。

私の周りの人たちは、「みんなoverreactingしてるよ」と考える楽観的なタイプと、「すぐにシャットダウンの準備をした方がいい」という悲観的なタイプに二極化し始めた。私は完全に前者で、シャットダウンの準備をし始めながらも「いやいや、ゆうて実験は続けるでしょ。震災の後でも実験してたんだぜ」と悠長に捉えていた。
学内では、「すぐにシャットダウンすべき」派の人と「われわれは責務を全うすべき。パニッキーな言動は控えろ」派の人の熱い議論が交わされたりしていた。

3/13、すでにPPE(感染防護具)が不足し始めている旨のメールを大学から受け取った。

娘のデイケア(保育園)はシャットダウンを考え始めたようで、「来週来るつもりか連絡をくれ」と電話があった。NYの市場が反応し、「bull market (堅調なマーケット) の終わり」という見出しが各紙に踊った。

3/14、NY州は初めて二人のコロナ関連死者を出し、感染者数は州内で累積613人にのぼった。

 

3/15~3/21

この週、NYの状況は著しく悪化していく。

3/15には、クオモ知事は「STAY HOME」というメッセージを強く打ち出し始める

まずは夫の仕事場が「担当者一人を決め、それ以外の人はラボに入っては行けない。その一人も1日1時間までしか仕事場にいられない」と言う措置を取ることを決めた。
その二日後、私の職場も「同じ部屋に人が複数人存在しないようにシフト制にするように」とのアドバイスを受けた。同僚と顔を合わせたのは3/18(水)が最後になった。

3/15には累積729人だった州内の感染者数は3/21時点で10,356を数え、先週末では2名だった死者数は58人に膨れ上がった。 Andrew  Cuomo知事はレストランをtake outオンリーにし、スポーツジム、カジノ、映画館を閉鎖することを決めた。

小学校の閉鎖も決まり、緊迫感が刻々と上がっていく。

 

スーパーからはパスタとパンと米が消え、日常生活にもCOVIDの影をはっきりと認識できるようになる。

3/18 午後2時、クオモ知事はnon-essential な職種の50%に自宅待機を命ずる。

 

そして午後10時には、それが75%にまで引き上げられた。これによりCOVIDに無関係な研究を行う研究者(私のような)はなるべく自宅に待機するべき、という空気感が形成されていく。

このパーセンテージは、21日には100%にまで引き上げられることとなる。

 

3/20には 理髪店やタトゥーショップ、ネイルサロンなどの閉店が決まる。

医療従事者の人出不足が深刻化。リタイアした医療従事者を募る知事のツイート。

 

知事は24日にも同様のツイートをしている。NYCの医療が逼迫していることが市民にも伝わり、ピリピリとした空気をニュースからも、ツイッターからも同僚とのtextからも感じる。

 

3/21 PPE、ventilatorを募る知事のツイート。PPE(個人防護具)とVentilator(人工呼吸器)が深刻な供給不足に陥っていた。私のラボからもプラスチックグローブを寄付した。

 

 

 

 

3/22~

土曜日、どうしてもしなければならない用があり、ラボに向かった。

街は閑散。電車の本数は減り、プラットフォームは閑散としていた。

 

3/23 クオモ知事、NYのコロナウイルス との戦いが9カ月に及ぶ可能性に言及。

 

同僚から「What's going to happen?」とメッセージがくる。NY民の不安はどんどん高まっていく。

 

3/25 医療関係の人出不足の深刻化を受け、NYUの卒業を三カ月早める措置。

 

 クオモ知事の悲痛なツイート

「僕の母は犠牲になるべきではないし、君の母親だって犠牲になるべきではない。僕たちは人の命を金で換算するべきではない。僕達は公衆衛生の問題解決戦略と共存可能な経済戦略を持っているはずだろ。株式市場のために誰かが犠牲になるような自然選択なんてあっていいはずがない」
「僕たちは1-2%のニューヨーカーを犠牲にするなんて嫌だ。そんなのは僕たちのあるべき姿じゃない。僕たちは僕たちが救える全ての命を守ってみせる。僕は諦めない」

 

 

 

3/26 ventilatorの不足が深刻化する。

 

3/27 NYC QUEENSの1病院で、24時間のうちに13人が死亡するという衝撃的なニュース。

edition.cnn.com

 

もはや室内に引きこもっている私たちはネットとテレビから情報を得るしかないのだが、それでも十分すぎるくらいに街の緊迫感が伝わってくる。テレビも、もはやスタジオ収録ではなくなり、各キャスターの家から?ビデオ越しの放送に切り替わっている。

 

私はこのあと、夫、娘とともに日本に一時的に帰国し、現在隔離生活を送っている。


4/1現在、NYSの累積死者数はCuomo知事の記者会見によれば1,941人。死者数は増加し続けており、NYSはまだ戦いを続けている。一刻も早く、このcrazyな状況が落ち着くことを祈っている。ニューヨークに住む大切な友人たちと、一人もかけることなく再開できることをひたすら祈っている。

 

日本がニューヨークのようにならないよう、祈っている。


今、日本でも東京などの大都市を中心に感染が急拡大している。
外来や救急診療を取りやめる病院も出始め、医療現場の逼迫した様子も伝わってくる。


NYから帰国した身としては、いまだに室内に入って食べるタイプの飲食店が開いているのが結構衝撃である。
逆にスーパーなどできちんと一個一個包装されたお野菜なんかには「日本だ〜」と安心感を覚える。(アメリカではお野菜や果物はむき出しで売られていて、品定のために手でベタベタ触る人が多い。とても気になっていた。)

私は医者じゃないので、レストランなどがどの程度感染に寄与しているのかは論じられないが、感染症を防ぐにはとにかく人と会わないことが大事だ。それは正しいはずだ。
私たちが家にいれば、人と会う回数を減らせば、誰かを感染させてしまうリスクはそれだけ下がる。
それが、最前線で戦わなくてはならないお医者さんたちや物流を支える人、スーパーや薬局で働く人たちの感染のリスクを下げることにつながる。ぼっちになろう。それが、今、人命を救うのに大切なことなのだ。

長い戦いになるかもしれない。でも、みんな一人じゃない。一人一人が、この戦いの主人公なのだ。STAY HOME. SAVE LIVES.

 

 

主にアカハラの話 (河野議員へのレスポンス②)

河野先生が再びブログをアップしてくださいましたので、私が答えられるものをここで答えたいと思います。

www.taro.org

 

私の観測範囲のことですので、一般化できるかは不明ですが。

 

アカデミックハラスメントについて

アカデミックハラスメントについて。これは単なるアカハラの問題と学生が労働基準法の適用を受けないという問題と、研究費がないから学生等をこき使うという問題がからまっているという認識でよいでしょうか。博士課程の学生が減ったから教員を雇っているという現実がありますか。

 

アカハラについては、仰る通り、様々な問題が絡まった複合的な問題であると認識しています。この問題について、幾つかの具体例を知っていますが、いずれも当事者では無いため、具体的に話すのはかなり難しいです。(私の周辺でかなり深刻になったものは、教員が学位取得の妨害、あるいは論文執筆の指導放棄を行った事例です。)

 

また、各大学のハラスメントセンターは、非常にデリケートな問題ですのでこれに関しては情報はほとんど学生、教職員に公開していません。

よって、研究者に意見を仰いでも効率的に意見を収集するのは難しいかもしれません。

各大学のハラスメント相談室から意見を募集するのが効率的と思います。

後述しますが、もし、調べることが可能ならば、申し立てされたハラスメント事案だけでなく、相談された全てのハラスメント報告について、調査をお願いしたいです。

 

国立大学には、ハラスメント相談室が設置されており、それぞれガイドラインが明示してあります。ウェブサイトに行けば気軽に見ることができます。

京都大学におけるハラスメントの防止と対応について(PDF) 

東京大学におけるハラスメント防止のための倫理と体制の綱領(PDF)

 

また、勇気を出して、ブログに地震が経験した研究室の辛さを著してくださった方も居ます。

大学院、中退することに。 : ボルボラのブログ

 

現行のハラスメント対策に感じる懸念

以下はちょっと細かいことですが、私が現在のハラスメント対策に対してもどかしく思っている点です。私はハラスメントを受けた当事者では無いので、これは伝聞をもとに私が感じた懸念です。
ハラスメント相談室は、被害者から相談を受けた場合、次のようなプロセスを経て調査を行います。

f:id:tsunapon:20161112014941p:plain

私は、このプロセスを経て本調査までたどり着いたハラスメント案件は全体の何%なのか、非常に少ないのでは無いかと疑っているのです。

 

私の友人は、加害者からの執拗なメールなどの物的証拠があったにも関わらず、結局、本調査(ハラスメント申し立て)をしませんでした。それは、申し立てをした時点で、加害側にハラスメントの申し立てがあったことが通知されてしまうからです。

 

指導放棄をされていた友人の場合、その研究を教えられる教員が加害者しか居なかったし、ハラスメントセンターが入ったところで教員が積極的に友人に指導を行うようになるかも不透明だったため、また、精神的にもかなり追い込まれていたため、退学しました。

 

両当事者から話を聞かないと客観的に調査ができない、という理屈は理解できるので、本調査と同時に加害側に通知が行くことはまぁ理解ができるのですが、

加害側はまだのうのうと教鞭を撮っているわけで、

まったくアカハラが無くなりそうな気配を見せないので、何とかならないかな、ともどかしく感じています。とは言え、対案は全く思い浮かばないのですが。

私は、正直に言ってハラスメントセンターに対する信頼感はなくなってきてしまいました。

 

現在、取りうる解決策

無難なところとしては、副担当教員制の導入を徹底すること、があげられると思います。担当教員以外に、もう一人、その学生に責任を持つ教員を作っておくことです。既に導入済みの大学があるので、効果が出ているかどうか確認できるかもしれません。

 

また、学科ごとの退学率、休学率を公開する、というのもありかもしれません。離職率の高い職場は止めておこう、と思うように、退学率の高い学科を学生が避けることができるかもしれません。(一部から猛反発が来そうですが)

 

非常に属人性が高いゆえに、アカハラの問題は根が深いです。どうにかして、苦しんでいる学生さんの力になりたいと思うのですが。 

 

 

若手研究者の定義について

「若手」の定義が四十歳だったり、三十七歳だったりするようですが、若手の定義として確立されたものがありますか。

学振PD、海外学振は、学位取得後5年以内のものが申請資格を持ちます。また、科研費の若手枠は、39歳以下のものが申請資格を持ちます。このあたりが、若手の基準になっているのでは無いかと思います。

申請資格・支給経費・採用期間 | 海外特別研究員|日本学術振興会

特別推進研究・基盤研究・挑戦的研究・若手研究 | 科学研究費助成事業|日本学術振興会

 

 

購読料が必要な論文に付いて

予算の関係で海外の学術雑誌が読めない大学というのはどれぐらいありますか。

 

これについてですが、「論文が読める大学」と「論文が読めない大学」が二分しているわけではありません。大学によって、読める論文の雑誌の数が違うのです。

(中には全く有料誌が読めない大学もあるらしいですが。)

購読の頻度が高い雑誌を大学が一括契約してくれているところが多いはずです。一括契約された論文については、大学のポータルサイトや学内の無線ランを介して論文サイトにアクセスすれば、研究室単位では購読料を払わずに済みます。

 

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画像は、フリー素材のいらすとやさんから拝借しました。

 

この、どの雑誌を一括契約するかについては、各大学の図書館が決めているはずです。(数年前に一度アンケートを取られた気がします)

大学図書館に協力してもらうのが一番かと思います。

 

 

以上です。

 

 

 

 

へっぽこポスドクから河野太郎議員へのレスポンス

こんばんは、つなぽんです。

河野太郎議員が、ここ数日、積極的に研究者の意見を政策に反映させるべく、動いてくださっているようです。
Twitterとブログを活用して、我々の意見に真摯に耳を傾けてくださり、
「これで少しでも研究環境がよくなれば…!」と、期待しています。

さて、高名な先生方がすでに河野先生に有益な情報を送っているであろう所僭越ですが、私も、若手の一研究者として、河野先生に現状を伝えるべく、ブログを書くことにしました。

 

本記事で公開する内容と同じものを、河野先生にはメールで送りましたが、

研究者ではない皆様にもぜひ、若手の学生の現状を知っていただき、研究者の卵たちの力になっていただけたらなぁ、と思います。


運営費交付金の削減が若手研究者と学生にもたらす影響について

学振って何?学振とJSPS

若手の研究者と学生にとって、運営費交付金の削減によって被る不利益は、
まず何と言ってもJSPS, 日本学術振興会による奨励金の問題が大きいです。

(それ以外は、研究室の教授とかが頭を悩ませる問題であって、我々が受ける影響は間接的なもので、問題点もよくわかりません。)

受けられる主な奨励金を次に示します。

学振DC:学生向け。研究生活を支援するための生活費の補助として、月20万円ほどの奨励金が支払われる仕組み。
学振PD:学位を取り立てのポスドク向け。月36万円ほどの奨励金が支払われる仕組み。

学振RA:海外の研究室で修行したい人向け。国によって金額は違うが、生活費が支払われる仕組み。いずれも、申請書を書いて、面接を受けたりして、就活のようなプロセスを経て大体1~3割くらいの人が採用されるシステムになっています(採用率は年によって変わります)。

 

JSPSからの奨励金は非常に大切

これらは、我々の研究生活を支える生命線です。DCは、同年代の友人達が給料をもらって働いている一方、学費を払い続けていて親の援助を受けている博士課程の学生が経済的に自立できる数少ない手段の一つです。
また、PDやRAは、若手の研究者が、若さを活かして主体的に研究するのに非常に役立っている重要な資金源です。
詳細はリンク先PDFのP.6、研究者援助事業を参照してください

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu4/siryo/__icsFiles/afieldfile/2010/11/17/1298858_07.pdf

 

財源は運営費交付金!

そして、この若手研究者を支える奨励金の財源となっているのが、独立行政法人 日本学術振興会の運営費交付金事業です。

次のリンク先は、日本学術振興会のここ数年の予算の内訳です。

予算|日本学術振興会について|日本学術振興会

グラフの下の茶色い部分が運営費交付金です。H23年には293億円だったものが、H28年度には267億円に減っています。

 

そして、この減額量を考えるとJSPSも頑張ってくださっているとは思うのですが、
奨励を受けられる人の人数も、ここ数年は減ってきてしまっているのが現状です。

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表:ここ5年間の各奨励金を受けた人の人数。

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上の表をグラフにまとめたもの。

採用状況 | 特別研究員|日本学術振興会申請・採用状況 | 海外特別研究員|日本学術振興会

を参考に作製

 


私が訴えたいのは、どうか、どうかJSPSへの運営費交付金をこれ以上減らさないでほしいのです!
学生に、後ろめたさを感じずに、経済的不安を感じずに研究に打ち込める生活費を!

そして、若手研究者に、早くから主体的に研究に取り組める研究を保証するために!

お願いします。


学生が減ったのに教員が増えたのがおかしいですか?

次に、全然別の話題になるんですが、河野先生がブログ内で

学生数が1万4千人減少したのに対して、教員が4千人弱増加し、職員は2万4千人近く増加しています。

人事管理が計画的に行われていたのでしょうか。

この職員増は非正規で対応せざるを得なかったということではないでしょうか。

また、教員に関しても、年齢構成が高齢化し、若手がポストに就けないということでしょうか。

企業がポスドクを雇用せず、ポスドクの行き場がなくなって、ポストを探す研究者が増えたということでしょうか。

引用元;研究者の皆様へ

と、学生が減ったのに教員が増えた理由を考えていらっしゃいます。
おかしい、と思われる方も多いかもしれませんが、私はあんまり意外に感じませんでした。なぜなら、研究室において学生は労働者だからです。

 

研究室の業績の主力となっている修士、博士課程の学生

研究室で主に実験しているのは、教授ではありません。

研究室によっては、一番研究室の滞在時間が長いのが学生、なんてこともあるのです。

研究室からでた業績を見てみても、半数が学生が筆頭著者になっている研究室もよくあります。

企業に入ったらOn the job trainingとして給料が貰えそうな仕事を、学生が学費を払ってやっている、それが今の日本の大学です。

当然、タダで、いや、お金を払いながら働いてくれていた労働者がいなくなったら、仕方がないので教員を雇うことにした、という展開は起こりうると思います。(ちなみに、米国の博士課程は給与が支払われるので、お金払って博士課程をしている、と言うとすごく驚かれます。)

これはあくまで仮説ですので、なぜ学生が減って教員と職員が増えたのか、ちゃんと調べるべきだとは思いますが、有り得る話だとは思います。


最後に

正直にいって、いまの若手研究者、特に学生さんはあまりいい待遇とは言えません。例えDCを貰ったとしても、同世代の人達に比べると生活はカツカツなはずです。

その上、雇用契約がないので、労働基準法が適用されません。DENTUなみのブラックな働きをしている学生さんは居るし、その結果心を病んだとしても、労災は出ません。

さらに、学位や卒業といった、人生の重要な切り札を指導教員が握っていて、人間関係によるストレスもかなりあります。

ハラスメント相談室があまり機能していないことは以前、このブログでも触れました。

 

tsunapon.hatenablog.com

 

どうか、どうか、学生さんの待遇が改善されればと願っています。

私は逃げ切りました。でも、逃げ切れなかった友人が何人も居ます。

過酷な環境でも研究がしたい、そういう夢を持って研究室のドアを叩いた人がほとんどです。金銭的にも、体力的にも、精神的にもぼろぼろになっていく後輩を、

もう見たくないのです。

お願いします。



リンク

www.taro.org

 

追記

next49先生が、学生数の減少と教員の増加についての読み応えある記事を書いてくださっていました。
このブログを読む限りでは、大学院生数はむしろ増加しているので、このブログの中で私が書いた「研究の担い手である学生の減少により教員を増員する必要があった」という考えはどうやら的外れだった模様です。すみません。
この10年で減少したのは学部生だったわけですね。

next49.hatenadiary.jp

科学の未来に寄付、してみませんか?

お金があれば、私たちはもっと効率よく、早く研究を進められるはず。このエントリーは、どうやったら基礎研究に寄付ができるのか?その方法をまとめたエントリーです。

 

基礎研究には金が要る!

東工大の大隅良典先生がノーベル医学生理学賞を受賞されたという、

大変喜ばしいニュースが日本を駆け巡りました!
昨年の大村先生に続いて、二年連続の医学・生理学賞の受賞です。
優秀な日本人の素晴らしい研究成果が世界的に認められて、誇らしいと感じている方も多いのでは無いでしょうか?
勿論私も同じ気持ちです。そして、自分自身も新しい発見のための土台の一つを作れたら良いな、と、日々研究に邁進している日々です。

ところがところが。
今、日本の基礎研究は財政難に陥っていると言っても過言ではありません。
2004年、国立大学が法人化されたのを堺に、国から大学に支払われる運営費交付金は削減される一方。。。研究成果を示す指標である掲載論文数や被引用件数は、数年前から頭打ちで、台頭してきた中国に追い抜かれてしまいました。これについては、もっとしっかり書いているブログや報告書がありますのでそちらをご覧いただければと思います。
国立大学法人化後の現状と課題について (中間まとめ)

運営費交付金削減による国立大学への影響・評価に関する研究(ダイジェスト版)(その1) - ある医療系大学長のつぼやき

 

基礎研究には金が必要です。

残念ながら、研究は金になりません。創薬に役立つ、製品になり得る研究ならば、投資する人も居るでしょうが、

残念ながら基礎研究は、役に立つかどうかわからない、リスクの高い研究です。だから、企業は金を出さない。皆様の税金を使って研究を行うしかありません。

しかし、基礎研究は、オートファジーの発見のように、ときに思いもよらない出会いを提供してくれます。だれも通ったことのない道に、レールを敷いていく、それが基礎研究です。

 

もし、もしも、みなさんが、「日本の科学の発展のために、貢献したい」と少しでも思ってくださるのなら、どうか、基礎研究に寄付をしていただけないでしょうか?

 

大学に寄付をする

皆様、大学に寄付ができることをご存知だったでしょうか?

「大学名 寄付」で検索すると、大抵の大学ならば寄付のウェブサイトが出てくるはずです。個人でも、法人でも寄付ができる場合がほとんどです。

なんとですね、大学への寄付金は、税金の控除対象になっています!
母校に寄付をして、更に節税にもなる!どうですか?興味が湧いてきたでしょうか??

寄付金は、大学の運営や研究費などに使用されます。
興味が湧いたら、是非、調べてみてくださいね!!

 

東京大学基金京都大学基金 などなど、検索すればいくらでも出てくるはずです!
ips細胞の基金もあります。これは見たことある人が多いのでは無いでしょうか?山中先生が率先して寄付を募っていらっしゃいます。(ううっ、あんな優秀な頭脳に寄付のお願いをさせるなんてっ(泣))

ご支援のお願い | iPS細胞研究基金 | CiRAについて | 京都大学iPS細胞研究所 CiRA(サイラ)

 

クラウドファンディングを通じて寄付をする

大学への寄付のデメリットとして、一口の金額が大きい、通常は使用用途を指定できない、などが挙げられます。
でも、「1万円からって、気軽に寄付はできないなー」「どうしても、自分は自分の興味がある研究にしか寄付したくないんじゃ!」ってかた、いらっしゃいますよね?

そんな方におすすめなのが、クラウドファンディングを通した寄付です。

こちらは1000円など、比較的少額からの寄付が可能で、しかも、自分の好きな研究に寄付できるのが魅力です。

academist(アカデミスト)が、おそらく最も有名な研究支援のクラウドファンディングだと思います。
たまに、クラウドファンディング - READYFOR(レディーフォー)など、ほかのクラウドファンディングサイトにも、基礎研究の支援プロジェクトが出ています。

是非是非、定期的にクラウドファンディングサイトをチェックして、「あ!この研究面白そう!」と思った研究に、少額でも良いので寄付していただけたらな〜、と思います。寄付の特典として、研究室に見学に行けたり、記念品がもらえたりすることもありますよ!
ただし、こちらは税金の控除対象になることはあまりないと思います。こういうの詳しくないのでわからないですが!


データを寄付して研究を応援!

基礎研究に興味はある、でも、研究を経済的に支援するほどではない、という方!
もちろんいらっしゃると思います。
でも、研究を応援する方法って、なにもお金だけじゃないんです!
データを寄付する事によって研究を応援することもできるんですよ。

マルハナバチ国勢調査

GPS付きのスマホでマルハナバチの写真を撮って、メールで画像を送るという調査です。

アサギマダラの移動調査ネット

ウェブサイトの更新が滞っているようですが、掲示板は絶賛稼働中のようです。マーキングされたアサギマダラの情報をやり取りするサイトです。

他にも、心理学実験の被験者募集に応募してみる、などなど、基礎研究を支える方法はたくさんあります!
(「被験者 募集」で検索するとたくさん出てきます。大抵、交通費くらいは支払われます。)

 

 

皆様の温かいご支援をお待ちしています!

基礎研究は、一般社会との契約の上に成り立っています。

税金を使う、だから研究者はより良い未来の為に研究をする。
全ての研究が、輝かしい宝物を持ってくるとは限りません。
でも、幅広い分野をフォローすることで、宝石みたいな研究に行き当たることがあるのです。

DNAだって、最初は全然重要な物質だとは知られていなかったんです。人の傷の膿から抽出された、ただの一化学物質に過ぎなかったんです。
基礎研究は、何が起こるかわからない、だから、面白い。

 

厚かましいお願いであることは承知しています。でも!

皆様のご理解と支援を頂けると、とても嬉しいです。

(お願い!お願い!)

 

確かめてみたら自分の二重国籍が発覚した話

蓮舫議員の二重国籍問題が結構長くお茶の間を賑わせています。

私は政治的主張はブログでは展開しないことに決めているので、

本エントリーも蓮舫議員の政治家としての資質なり何なりに文字を割く気はさらさらありません。

 

ただ、私は今回の蓮舫議員の二重国籍問題が議論される中で、

改めて自分の国籍を確認した所、自分がまだ米国籍を持っていることが明らかになったこと、

更に調べている内に、「日本国籍を選んだはずなのに日米二重国籍になってた」私と似たような境遇の人が少なからず居ることを発見しました。

 

そこで、

意外と気付かずに二重国籍になっちゃってる人って多いんじゃないの?

日本の対応、ちょっとまずいんじゃない?と思ったので記事を書くことにしました。

 

私の生い立ち

私は、米国のペンシルバニア州というところで生まれました。

両親とも日本人、少なくとも江戸時代の終わりまでは、両親ともに祖先を遡っても日本人の生粋の日本人ですが、父が仕事でペンシルバニアに行っている間に生まれました。

日本は、どちらかの親が日本人であることが日本国籍を持つことの条件である血統主義なのに対し、

米国は米国内で生まれたことが国籍の条件になる出生地主義をとっています。

そんなわけで、米国で生まれた私は日本国籍と米国籍、両方を有することになったのです。

ちなみに、父は仕事で忙しく、言葉が通じず友人も居ない異国の地で参ってしまった母は、生後6ヶ月の私とともに日本に帰ってきました。

そんなわけで、生後6ヶ月から約30年間、私は日本で過ごしてきました。

 

 

二重国籍に気づくきっかけ

さて、私は国籍のことなどすっかり忘れて日本で日本人としてのうのうとすごしていたわけです。

20歳になると同時に選挙権が与えられました。年金の支払い義務も生じました。

20を過ぎてから大学に雇用されるまでは国民年金だったわけですが、

一度の支払い忘れもなく年金を払い続け、選挙にも毎回行っています。

自分で言うのもなんですが模範的な日本人です。

 

ところが、このニュースで私は疑問に思いました。

www.asahi.com

「国籍の放棄手続き」…?あれ?国籍って放棄するのに手続きって居るんだっけ?

私…国籍の放棄手続きなんてした覚えないぞ…???と。

 

で、ツイッターでその旨呟いた所、親切なフォロワーさんが「それ、まだ米国籍が生きてますよ」と教えてくれたのです。自分の二重国籍が発覚した瞬間でした。

 

二重国籍なんてありえるの?

しかし、ネットを見ていると、「日本では二重国籍は違法」「日本は一つの国籍しか認めていない」という話が。

私も、18だかそのへんで、日本国籍を選択することを父に伝えた記憶がおぼろげながらあります。自分で手続をした覚えは全くありませんが。

 

調べてみると、国籍の選択の管轄は法務省のようで、次のようなウェブサイトがありました。確かに、日本では重国籍者は一つしか国籍を選べないようです。

www.moj.go.jp

国籍を選択するには,自己の意志に基づき,次のいずれかの方法により選択してください。

(1) 日本の国籍を選択する場合
ア 外国の国籍を離脱する方法
 当該外国の法令により,その国の国籍を離脱した場合は,その離脱を証明する書面を添付して市区町村役場または大使館・領事館に 外国国籍喪失届をしてください。離脱の手続については,当該外国の政府またはその国の大使館・領事館に相談してください。
イ 日本の国籍の選択の宣言をする方法
 市区町村役場または大使館・領事館に「日本の国籍を選択し,外国の国籍を放棄する」旨の国籍選択届をしてください。

 

つまり、私はこの(イ)日本の国籍の選択宣言 は行っていたものの、外国籍の離脱は行っていなかったことになるようです。こう書かれると両方やらないといけないのかと思われますが、以下の米国日本大使館のウェブサイトには、(ア)か(イ)のいずれかの方法で日本国籍が選択できるように書いてあります。

Embassy of Japan in the United States of America

 

 

ちなみに、蓮舫議員は、昭和60年1月1日より前に重国籍となったはずです。この場合、

(2)昭和60年1月1日前(改正国籍法の施行前)から重国籍となっている日本国民

(中略)
なお,期限までに国籍の選択をしないときは,その期限が到来した時に日本の国籍の選択の宣言をしたものとみなされます。

自動的に22歳を超えた時点で 自動的に日本国籍を選択したものとみなされるはずです。

 

さて、では、なぜ私は日本国籍を選択しながら二重国籍状態になってしまったのでしょうか?
その原因は、多分ですけど、アメリカが二重国籍を認めていることにより起こったのでは無いかと思います。

 

アメリカは二重国籍を認めている

米国大使館のリンクを貼っておきます。

アメリカ市民サービス | 東京, 日本 - 米国大使館

 はっきりとこう書いてあります

米国の最高裁判所は、二重国籍を“法律上認められている資格”であり、“二カ国での国民の権利を得、責任を負うことになる”と述べています。一国の市民権を主張することで他方の国の権利を放棄したことにはなりません。(Kawakita.v.U.S., 343 US 717 [1952]参照)

つまり、私が日本国籍を選んだからって、米国籍を放棄したことにはならないよー、と書いてありますね。

 

えーと。つまり。その。。。わけわかんねぇ。 

わけわかんねぇけど頑張って解釈すると、

多分、私は日本の法律では日本の国籍しかもっていない日本国籍保持者だけれど、

米国の法律上は、日本の国籍と米国の国籍を両方有する二重国籍者ってことなんじゃないでしょうか???よく分かんないけど。

 

多分知らずに日米二重国籍者は結構いる

ここからは蓮舫さんの話からは離れて日米二重国籍者の話しかしませんのでそのつもりでお願いします。(台湾の国籍法とか全く調べてません)

 

あれ、二重国籍って大丈夫なんかな…とおもっていろいろ調べたんですが、

調べてたら仲間を発見したんですよ、私。日米二重国籍仲間を!!!

portal.nifty.com

プロのライターさんに対して仲間というのもおこがましいですがすごく私と経緯が似ています。

また、こんな記事も

MIT留学でダニエル一家は何を思ふ なんちゃってアメリカ人ダニエルの妻子は移民ビザを取得できるのか

この方は、アメリカ留学のためにビザを取得しようとした段階で米国籍が残っていることが発覚した様子です…!

私も研究のための渡米を考えているので同じ事態になるところでした…。危ない…。

さて、ここに来るまでにN=3です。私含めて。米国籍の放棄手続きの存在を知らずになんちゃって二重国籍になっちゃっていた人は。

 

私、非常に疑問です。ちゃんと日本の政府は米国籍の放棄手続きの案内をしているのか?

もう一度載せときますが、米国日本大使館のウェブサイトをみる限りでは、日本国籍の宣言のみ行えば良いように受け取れます。実は知らずに二重国籍になっている人、多いんじゃないのかなぁ。。。

Embassy of Japan in the United States of America

 

日米二重国籍の何が問題か

別に、ふつうの日本人は国政に参加するわけでもないですし、米国市民権を維持したまま生活してもとくにまずいことはなさそうに思われます。

…が。

知らず知らずのうちに、旅券法違反や脱税状態になってしまう可能性があるような気がしてきました。

 

まず、渡航の際に、自国内に入る場合には自国のパスポートを用いることが旅券法で定められています。つまり、蓮舫議員なら台湾に行く際には台湾の、私の場合には渡米する際には米国の旅券を使わなければいけないということです。

これ、国籍放棄していないって知らなかったら普通に日本国旅券使っちゃいますよね。一応バレたら違法らしいです。

 

更に、米国市民はたとえ国外にいても確定申告書の提出義務があるそうです。

私、いままで一度も出したこと無いよ。。。働き始めたの最近だけど。。。。

 

さらにさらに、これはまだちゃんと調べられていないんですが、外国の金融機関に10000ドル以上の資産がある場合には申告義務があり、申告し忘れるとペナルティがあるという噂も…。10000ドルって100万円ですよ!?

日本に住んでて仕事してて、貯金100万円って普通に超えるだろ!!私は超えちゃってます。どうしよう、罰金とられるのかなぁ。。。(とりあえず弁護士さんに相談しようと思います。)

 

 

なお、以下の記事にある通り、米国市民権の放棄には20万円以上のコストがかかります。しかも、2回の面接を大使館で行う必要があるという。。。

www.forbes.com

とりあえず、米国籍の放棄についてはデイリーポータルさんの記事を待ちたいと思います。

 

二重国籍者への対応について

私は国籍選択宣言をして、もう10年以上が経過するのですが、

これまでに一度も、法務省なり外務省から「米国籍を放棄してください」という連絡を受けたことがありません。

それどころか、完全に米国籍は捨てたと思って生きてきました。

だって、日本国籍は1つの国籍しか認めていない、しかも日本国籍を選んだ、となったら、自分の国籍は日本一つだけだと、普通は思いませんか?(言い訳)

蓮舫議員には、ここまで大事になったのだから、元二重国籍議員として、

日本の国籍選択および国籍放棄方法の周知や、二重国籍者の円滑な他国籍放棄への取り組みなど行ってほしいな〜、と思うわけです。

できれば2350ドルと罰金を払わずに米国籍を捨てたいつなぽんでした。

 

おわり

 

 

 

一応魚拓とっといたやつ。消えないとは思うけど。

【魚拓】Embassy of Japan in the United States of America

【魚拓】法務省:国籍選択について

【魚拓】アメリカ市民サービス | 東京, 日本 - 米国大使館

イタリア中部地震 伊日赤への直接寄付、paypalアカウントは不要です

「追記:

日本赤十字社、Yahooが、募金窓口を開設しましたのでタイトルを変更しました (2016年 8/31)。

 

日本赤十字社の募金サイトはこちら

www.jrc.or.jp

方法; 郵便振替、銀行振り込み、クレジットカード、コンビニ支払い、ペイジー

注)クレジットカード、コンビニ、ペイジーで募金の場合、マイページの登録が必要です。

 

Yahooの募金サイトはこちらです。

donation.yahoo.co.jp

yahoo IDが必要ですが、IDを持っていれば、Tポイント、クレジットカードで募金が可能です。」

 

 

 

ものすごく久しぶりにブログを更新します、つなぽんです。

 

イタリアの中部で発生した地震により、多くの死傷者がでています。

私は最近イタリアを旅行したこともあり、

力になりたい、と思ったのですが、

今現在(2016年 8/26 午後9時)、日本赤十字、yahoo募金などは

まだ募金サイトを開設していません。

「追記;8/30日に、いずれも募金サイトが開設されました。」

 

 

募金サイトが開設するまで待っても良かったのですが、

少しでも早く、力になれないかと探していたら、

イタリアの赤十字が募金サイトを開設していて、そこから募金することができましたので

備忘録を残しておきます。

 

イタリアの赤十字に直接寄付! 

イタリアの赤十字 (Croce Rossa Italiana)の地震への緊急支援サイト

https://www.cri.it/flex/FixedPages/IT/DonaOra.php/L/EN/IDCausale/36/Importo/10/AltroImporto/-/Dona/Dona%20ora/BL/KnBhZ2VzL1NlcnZlQkxPQi5waHAvU1VfL2hvbWU%3D/X/1?uniq=41c7b4abed110bb460d91fd7b6568193

 

Terremoto(地震) centro(中部) Italiana(イタリア) ということで、

ここへの寄付は、今回のイタリア中部地震に使われる…はずです。

 

(私のリンク誘導が不安だ、詐欺サイトじゃねえか?と思われる方は、
「Croce Rossa Italiana」で検索して、「Terremoto centro Italiana」の「Dona Ora (donation now) 」ボタンをクリックして、言語をENGにしてください。
災害に便乗した詐欺サイト、多いですからね…。

なお、Red Cross Italy で検索すると、EUのRed Crossのページが出てきて、私はイタリアのレッドクロスには辿りつけませんでした。。。)

 

個人情報を入力する 

このページに飛ぶと、

下のような画面が表示されます。

法人か個人かのチェックボタンには、citizen(個人)を選択し、情報を入力していきます。

 

f:id:tsunapon:20160826213630j:plain

 

Birth Dateは必須ではありませんが、入力のしかたがちょっとわかりにくいので説明します。

[August 2016]を一度押すと月が、

もう一度[2016]を押すと年が選べるようになります。

f:id:tsunapon:20160826214526j:plain

 

寄付金額を入力する 

ここの情報を入力したら、寄付する金額(amount)を入力します。

先ほど寄付をした時は、

1JPY=0.0845EUR くらいでした。

大体10EURで1180円くらいです。

最小寄付金額は10EURです。
(10EUR以下でも、任意の金額を指定できるようです。訂正します。
ツイッターで指摘してくださった方、ありがとうございました 8/27 16:30)

 

入力が終わったら、緑色の[Go to specified data summary]をおして、

入力情報を確認した後、[Go to transaction data summary]というボタンを押して、支払いに進みます。

[Go to Paypal payment page]というボタンを押すと、支払いサービス「Paypal」のページに飛ばされます。

 

PayPalにログインせず、クレカ情報を直接入力する

ここで、すでにpaypalのアカウントを持っている人に注意なのですが、

Paypalにログインして、寄付をしようとしても日本のアカウントからは現在は寄付はできないようです。

私は「PayPalでは、現在JPの買い手からの寄付支払いはサポートされません。」とでてしまい、できませんでした。

しかし、支払いの時に、Paypalにログインせずにクレジットカード情報を入力して完了したら、

ちゃんと寄付することができましたよ!

なので、paypalにログインして支払うのではなく、クレカ情報を直接入力して寄付をするようにすると良いと思います!

(寄付をしたら、イタリアの赤十字からメールが届きました!)

f:id:tsunapon:20160826213613j:plain

 

もし、すぐにイタリア地震の復興の支援をしたい!力になりたい!という方は、

参考にしてみてくださいね!

 

 

おわり

日本の大学はどこへ向かうのか【アジア大学ランキング2016】

あまりこういう大学経営的なことに口をだす身分では無いのだけれど、

大学ランキングが発表されて、

日本の大学が順位を落としたという記事をみて、

そして大学ランキングの評価基準をみながら、

文科省が推し進めている産学連携はおそらくこのランキングを意識したものなんだろうな」
という気付きがあって、思うところがあるので記事にしてみる。

 

アジアの大学ランキング、日本の大学は順位を落とす

NHKの記事を貼っておきます。

www3.nhk.or.jp

 

この大学ランキングのソースとなっているのはこちらです。

www.timeshighereducation.com

1位のシンガポールのNUSを筆頭に、シンガポール、中国、香港の大学が上位を独占しています。

一方で、日本のトップである東京大学は7位、関西のトップ、京都大学は11位、東北大23位、東工大24位となっており、低調気味。

元の記事の総評では、専門家がこう指摘しています。

“Japan is paying the price for two decades of constrained university funding while China has built the C9 group [an alliance of nine elite universities] through the 985 programme,”
"Japan’s special funding programmes for global competition and internationalisation are on a much smaller scale and operate as compensation for underfunding rather than creating new value."

つまり、中国に比べて日本はこの20年、大学にかける資金を縮小していて、新しい価値を想像するには資金がたりないようだ、と言っているみたいです。

もちろん、それはあると思います。
もっとお金があれば、教授の給与も上がって海外から優れた研究者をじゃんじゃん招致できるでしょう。そうすれば日本の大学ランキングは上位に行くはずです。

でも、私はそれだけじゃなくて、どうもこのランキングで評価される大学の力と、
日本人がイメージする大学がマッチしていないような気がするんですよね。そのせいで、日本のランクは他のアジアの大学に比べて低いのではないかと。

 

日本が弱いのは国際化、引用、産業化

このサイトのmethodologyのところに書いてあるとおり、

このランキングは

  • Teaching (the learning environment)
  • Research (volume, income and reputation)
  • Citations (research influence)
  • International outlook (staff, students and research)
  • Industry income (knowledge transfer)

 

の5つの指標をもとに算出されています。

 

日本のトップである東京大学は、このうちTeachingではハイスコアをつけていますし、Researchも比較的高いスコアです。

一方で、

Citation (被引用), International outlook (国際化), Industry income (産学連携) は他の上位大学に比べて低くなっています。

 

Citation (引用)

これは、大学が出した論文が何度引用されたかを基準に付けられたスコアです。分野ごとにノーマライズした、と書かれていますが、その詳細については書かれていませんでした。

*1
この指標は、科学技術に特化した大学で高くなるようです。university of science and technologyと銘打たれた大学が上位に来ています。
私の感想としては、実学を重視するほど、ここの指標は高くなるのでは無いかと思います。分野ごとにノーマライズと言っても限界がありますからね。生態学一つとっても、気候変動に関する地球規模の研究と、日本の一地方の生態系の研究だったら前者の方が引用は多くなるでしょうが、どちらも重要な研究だと思います。
日本語研究なんかはこの指標を押し下げるでしょうね。そういう点で、総合大学は不利かもしれません。東工大に頑張って欲しい所。

 

 

International outlook (国際化)

これはわかりやすいですね。海外の教授や学生がどれくらい留学に来ているか、それから海外との共同研究がどれくらいあるかが指標となっています。
シンガポール、香港は英語話者が多いのでスコアが高いです。あと、ここのスコアが高いのはカタールUAEなど中東の大学。とにかく全てに共通するのはイギリスの植民地だったことですね。英語話者が多ければ多いほど、この指標は高くなるようです。


Industry income (産学連携)

 これは、それぞれの機関が産業からどれくらいの研究費を稼いでいるかの指標…らしいです。patent(特許)については特に記述がなかったので、一体どういうふうに大学が産業からお金を稼ぐのかよくわからんのですが(すみません)、大学が製品化に関わってその見返りを受取る、みたいな感じでしょうか?それとも、企業が大学の研究のパトロンになっていることを指標としているのか。。。
この指標が高いのは韓国、中国、トルコの大学で、スコアが満点の100のところがいくつもあります。やっぱりこの指標よくわからない。。。

とにかく産業界との関連が強いほど指標が高くなるというのは間違いないのではないかと。

 

日本の大学のイメージはこの大学ランキングとマッチしてない…?

ここまで読んでみると、この指標ってかなり実学重視で、

すぐに産業や医療にフィードバックを返せる研究が高く評価されやすい傾向にあると思うんです。引用回数も、産業化に近くなるほどよく引用されるようになりますし。研究人口も増えますしね。

一方で基礎研究はあまり評価されない指標になっているかな、と思います。

 

でも、考えてみると、日本の大学って、実学を重視する感じじゃないと思うんですよ。

寧ろ、すぐに社会に還元できるような研究は企業でやって、

そうじゃない、遠い未来を見据えた研究を、大学でやってほしいと思っている日本人って多いのではないかと思うんですけど違うでしょうか?

 

日本の私大として有名な早稲田と慶應。この早慶の校歌はけっこう広く親しまれてて、

母校じゃない人でも歌詞を知っている人は多いと思います。

慶應の塾歌には「文化の護り」

そして早稲田の校歌には「学の独立」

という歌詞が刻まれています。

私はこれらの言葉は、日本の学問に対するイメージをよく表していると思うんです。

すぐに役立てるための学問ではなく、

教養としての、日本の文化を守るための学問、

そして実学から離れた、独立した学びとしての学問、

それが日本が古くから大学に求めてきた学問の在り方なのかな、と。

私はこれに、日本の研究の強みとして裾野の広さも 加えたいのですが。

 

これらの特長は、いずれも大学ランキングでは評価されない部分では無いかと思います。そして、ちょっと国粋主義的かもしれないですが、私は日本の大学の良さはここにある、と思っているんですよね。

 

国際化は進めるべき

他に日本が弱いのは国際化ですが、ここはもう少しなんとかした方がいいと思います。

政府は留学生を増やすために日本に留学する外国人に金銭的補助を行っているみたいですが、私は寧ろ外国からトップレベルの研究者や教授を指導的立場で招致すべきだと思いますね。

そうすれば、日本人の教授と生徒が何故か英語で議論したり発表したりする無意味な時間が減るだろうし、学生の英語学習へのモチベーションも上がるでしょう。

なによりかにより、教授を日本語話者に限定しないことで、

より多くの研究者の中から優れた教授陣を選ぶことができます。

 

日本の大学はどこに向かうのか

最近の文科省の動向を見ていると、かなりこの大学ランキングを意識しているのではないかと思います。

やたらと国際化、産学連携を推してきますし。

理学部にもですよ!?

 

でも、それって結局、日本の大学文化をそぎ落としてしまうことになるんじゃないかと心配です。

 

私は日本の大学のランキングを低予算で上げることはそんなに難しくないと思います。理学部を潰して、日本文化の研究を潰して、基礎研究やローカル生態学を潰して、

引用回数が多くて産業にすぐに利用できそうな研究に絞れば東大の順位も上がるでしょう。事実、シンガポールの研究はかなり実学に特化している印象があります。

でも、そんなの長くは続かないでしょうし、なによりそれを望んでいる日本人は多いのか…疑問です。*2

 

もし、日本政府が、これまでの日本の学問の在り方を見なおして、とにかく大学ランキング上位を目指すというのなら、寂しいですがまぁそれも一つの選択肢かもしれません。

でも、いまの、日本の理想の大学像があやふやなまま、教授陣や学生がなんのビジョンも共有できずに政策を打ち出していたのでは、

お金も時間も無駄になってしまうのでは無いでしょうか。

 

日本が、日本のマスコミが、大学ランキングにとらわれて、

日本の学問を見失うことがないよう、願っています。

私は、日本には、文化の護りたる学問、そして学の独立を大切にする国であって欲しいと思っています。

 

おわり。

 

ご意見等、歓迎いたします。コメント欄、ブコメツイッター、などを介してご指摘いただければ幸いです。

*1:

引用回数は分野によってものすごくばらつきがあります。医療系、薬学系雑誌の引用数はすごく多いです。こういった内容を扱う雑誌の中には、被引用回数の指標であるインパクトファクターが100を超えている雑誌もあります。非医療系の生物学だとめちゃめちゃ良くて40くらい。普通は10前後です。

 

ほかの分野には明るくないですが、数学とかだと1あれば良いほうじゃないですかね。
これくらい分野に違いがあるものをうまく平均化しました、と言っています。

*2:シンガポールは人材の供給元が外国なのであのスタイルで長年に渡り研究の質を維持することができると思います。NUSの教授陣に占めるシンガポール人の割合はとても小さい。